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【最新情報】結局、「天神ビッグバン」で何がどう変わる?
2021.04.15ローカル情報
博多地区の古いビルを建て替え、アジアの拠点都市としてさらなる進化を目指すプロジェクト「天神ビッグバン」。今回は、天神ビッグバンで私たちの生活にどのような変化が起こるのか、動向について解説していきます。
天神地区が抱えている現在の課題
アジア各国の主要都市と近い福岡市は、空港へのアクセス時間も「約10分」と、アジアの中で1位を誇っています。しかし、空港と都市の距離が近いことから「建物の高さ・容積率」が厳しく制限され、高層ビルが建てられないことも課題の一つでした。
観光客や若者の人数は増えていくのに対してホテルやオフィスの空きがなく、建物も老朽化している。この課題を解決し、福岡市のさらなる発展を目指すために天神ビッグバンのプロジェクトが動き出しました。
現在は天神地区の再開発である「天神ビッグバン」、博多駅周辺の再開発「博多コネクテッド」の2大プロジェクトが福岡市で動いています。
天神ビッグバンの目的とは?
天神ビッグバンの大きな目的は、老朽化した建物や施設30棟を約10年間かけて建て替え、天神エリアのさらなる進化を目指すことです。これまでよりも高いビルを建てられるように、建物の高さ、容積率の制限も緩和されました。
天神ビッグバンでは「ビジネス・ショッピング・交流」できる空間を造り出すことで人やモノが動き出す場所を提供し、人の流れを作ります。加えて、行き交う人が思わず歩き回りたくなるような快適な歩行空間を演出し、自動車に依存しない街づくりも目標の一つです。
プロジェクトは2015年から開始され、2024年に完成予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症対機能の導入のために当初の予定より2年期間を延長し、2026年の竣工を目指すことに。「Withコロナ・Postコロナ時代」を見据えた新たな感染対策機能に期待しましょう。
天神地区が抱えている現在の課題
福岡市は全国21大都市の中で「開業率1位」を2016年まで3年間連続で達成しており、若者の開業率も2012年には1位を獲得しています。しかし、先ほども書いたようにオフィス不足が問題視され、「開業してもオフィスが見つからない」と悩んでいた若者も多かったはず。
そのオフィス不足問題を天神ビッグバンによって解消し、若者たちがこれまで以上に開業しやすい環境になることが期待できます。
また旧大名小学校には小学校の建物を活用したスタートアップ施設「FUKUOKA growth next」が2017年に設立され、起業への支援体制も整ってきました。この施設には、コワーキングスペースや、起業の準備や相談ができるカフェスペースも設けてあります。
一人で始めるには不安が大きい起業。しかし、同じ「起業」という目標を持った同志との情報交換、司法書士や税理士などのプロからアドバイスがもらえることは、起業を目指している若者の背中を後押しするはずです。
天神ビッグバンで注目したい施設
天神ビッグバンではオフィスビルを増やし、ビジネスを支援する計画が多くみられました。ビジネスに加えて、生活するうえで注目しておきたいのが、新しい施設です。
旧大名小学校跡地に建設される25階建てのビルには、九州初の進出となるラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン」が入居することも話題を呼んでいます。ゲストルームは162室、クラブラウンジやホテル内施設なども設置し、スイートルームは18~24階までを占める予定です。
5つ星の高級ホテルを誘致することで自然と富裕層が集まり、天神地区のブランド力をさらに創出することが期待できます。
航空法によって建物の高さや容積率が制限されていた天神地区。天神ビッグバンを期に規制も緩和され、高層ビルが立ち並ぶ日も遠くはありません。ビジネスをはじめ、観光業もよりにぎわっていくのではないでしょうか。これからの街の生まれ変わりに期待できそうですね!